グリーンスパンは、ブッシュ(本当は背後のデヴィッド・ロックフェラー)に命令されて、2003年6月に政策金利(FFレート)を年率1%にまで猛然と下げた。 〃戦争経済〃で、一気にNYダウ平均を1万ドルまで戻した。
この時日本の小泉首相もブッシュ大統領との〃クロフォード別荘お泊り同盟″で、景気浮揚の計画を教えられた。 それで、日本の株価も7606円という地獄の底値をはい回っていたのに、スルスルと上がり始めて1万円台を回復した。
だから弱いドルを見越した、ドル安圧力が高まっていた。 そのあと日本の通貨当局がいつもの計画どおり強力に円売り・ドル買い介入に動いた。
日米密約の「アメリカ支援のための日本によるドルの買い支え」である。 ところが、その年、2004年の4月には中国で温家宝首相が早くも、過熱した中国国内の投資を冷やそうとして、投融資規制に動いた。
これと並行して米FRBも超低金利政策の見直しを表明して、実際に2004年6月末から猛然と利上げを開始した。 1年以上続いた史上最低の1%のFFレートを6週間越し」のFOMCの度に17%ずつ急速に利上げ策を実行して今に至る。

それに伴い日本の通貨当局の「ドル買い・円売り」介入の動きも表面上は中止されている。 そのかわり、日本の生保、銀行を使ってこそこそと円売り・ドル買いの売国奴の所業を続けている。
どうして財務省(為替介入の実施の表面は、世界銀行に決済口座を持っていることで日銀ということになっている)がドル買いを中止したのかというと、日本の新聞各紙は次のように解説した。 「アメリカ中西部の製造業界や自動車業界から、日本政府のドル買い・円安への為替介入の動きに対して、『円安は日本の輸出企業への一肩入れである』として猛烈な反発が強まったため日本政府のドル買いを中止した」と新聞は報道をしていた。
確かに一因ではあった。 潰れかかっているGM(ゼネラル・モーターズ)の社長は、必死の形相で、「政治的に意図的な円安のために、トヨタの自動車の米国内の販売価格が安いので、それで、GMは大苦戦を強いられている」と繰り返し発言した。
GMの経営不振は自業自得である。 主因は別のところにある。
日本財務省や日銀の中のまだ残っている愛国の官僚たちの間で、〃盲目的″な為替介入の動き、すなわち政府資金によるあまりにも大量の米国債の購入に対して、反発が強まったからである。 日本では前の日銀総裁の速水優氏が、一貫して円高(ドル売り)論者であった。
速水優は、生粋の三井ロスチャイルド系の日銀の生え抜きの人間である。 福井俊彦現総裁のようなBIS(国際決済銀行。
スイスのバーゼルにある)という、米ロックフェラーの息がかかった欧州の国際機関への出向組とは異なる。 速水優は実勢を反映した強い円が日本の信用を高める、という理論であった。
自国の通貨が世界中で信用力があるからこそ高い(円高である)ということは、本来、誇らしいことである。 それに対して、自国通貨である円を売ってドルを買い支えることで、円安誘導をして維持している現在の外需(貿易促進)主導の日本経済の方が長い目で見て間違っているのである。
日本の野党の民主党議員が、国会の政府質問で、「財務省による外貨準備の米国債一辺倒での運用は非合理的である」と追及したことが報じられた。 「どうして、日本政府は、政府が保有する外貨準備(フォーリン・リザーブ)のほとんどすべてが米ドル(その内実はほとんどが米国債買い)なのか。

この考えを見直して、他通貨のユーロや、金地金も保有すべきではないのか」と政府質問した。 この主張は、きわめて正論である。
自民党の実力政治家である加藤紘一氏や古賀誠氏らからも、今のアメリカ一辺倒の財務省の姿勢に異議が出ていることが注目日本はどこまでアメリカに峯らドル・円相場は、2004年春、2004年末には、それぞれ1ドル103円台、1ドル01円台で底入れした。 それから徐々に円安・ドル高傾鯵向に向かった。
オイル・マネーの動きの米ドルへの回帰の動きと軌を一にしたものだ。 このこともさることながら、どうも日本国内の一般個人の資金が、外貨預金や外貨建ての投資信託を通じた外債投資に多く出ていることも大きな要因だ。
今や日本国民の「外貨建て預金」は、残高が的兆円を超えるほどの大人気である。 どうして日本の一般の人々がこうした動きに出たのか。
銀行の不良債権問題にもメドがついて雇用不安が以前よりは多少、減退して、正社員層(本百姓)であれば、給与や賞与も全体的には増額されてきているからだ。 だから国内での年率0.5%とかの超低金利の商品を嫌って、少しでも高金利収入を求めて、場合によってはある程度為替リスク(ドル高による評価損)を覚悟してでも外貨に投資しようという姿勢が出ているからだろう。
日本国民は長年強制されてきた〃ゼロ金利″にシビレをきらした、と言うよりも怒っている。 今回の外貨預金や外債投資への日本国民のシフトの動きは、2005年4月1日からの普通預金を含む「ペイオフの全面解禁」を契機にしている。
「ペイオフ」というのは、お金を預けている銀行が破綻した場合、元本1000万円とその利子分までは政府が償還(払い戻し)を保証するが、超える部分については保証しないという冷酷な金融制度だ。 そもそも一つの銀行の口座に1000万円以上もの預金がある一般個人が果たして全体のどれぐらいいるだろうか?しかも、一部の地方銀行を除くと、既に不良債権問題は峠を越した。
少なくとも4大メガバンクについては破綻する危険性が遠のいている。 にもかかわらず、「政府は銀行ばかり救けて不公平だ」と、これまでのままほとんど金利の付かない預金のままにしていては、却って損だ、という認識が日本国民の問に強まっているからである。

もっと本当のところは、これまでずっと日本政府やそれに追随する親米派的(アメリカ寄り)であることを当然としてきたメディア(テレビ・新聞)が、少しだけ態度を変えた。 まったく金利のつかない国内資産で資金を運用するのは〃愚かなこと″であり、少しリスクをとってでも海外の資産に投資することが賢明なことだ、といった宣伝を一般国民の間に流して植え付けたことが大きいだろう。
もうドルの定期預金だけはしない方がいい。 この動きは、まさに1996年の橋本龍太郎内閣における「金融ビッグバン金融自由化」(1998年4月から施行された)に象徴的に示されるように、米国が日本政府に金融自由化を無理やり強制させて推進させたことの帰結である。
金融自由化というのは、その実は、自由化でも何でもなくて、本当は、日本国民に対する身体検査や、持ち物検査のようなことまでやがてやりだす。 国民金融統制体制への突入のことである。
外国人投資家(ニューヨークのハゲタカ乗っ取りファンドども)が日本株を大量に買ったら、そのために外貨を持ち込んで円を買わなければならない。 日本企業の買収の際にも、円の需要が出てくる。
このドル売り・円買いによっても為替相場の全体としては円高・ドル安になる。 ところが、実際には、日本の株式を買う外国資本は、先物で円売り予約を立てている場合が多い。
この「先物での円売り予約」のせいで、為替市場の円高・ドル安がなかなか起きない。

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